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一般的な殆どのオージー「Aussie、オーストラリア人」は、オーストラリアを象徴する代表的なものとして「フッテイ(Footy、Australian Football)、日本では、オージー・ボールと呼ばれる。」、「ミートパイ(Meat Pie、俗称、Dog's Eye、オージーパイ)」、「ルー(Roo、Kangaroo)」と「ホールデン・カー(Holden Car)」を挙げる。海外から移住して新オージーになった人達のノージー「New Aussieを合成した造語のNaussie」の多くは、これを正しく理解するのにかなり時間を要するようである。
ハンバーグがアメリカ、フィッシュアンドチップス「Fish and chipps、魚とジャガイモのフライ」がイギリスの食べ物を代表する一つであるように「ミートパイ」は、オーストラリアの食べ物を代表する庶民的なタッカ−「(Tucker、食べ物)」の一つである。昼食やお腹が空いたときにスナックとして食べるがパーテーやパブでも極めて評判が良い食べ物である。オーストラリアでは、年間約2億5千万個のミートパイが市販されており、1人当たり12個食べるという統計がある。一般家庭で作るミートパイを含めるとその消費量は、年間5億個以上と推定されている。
フッテイのグランドファイナル「Grand Final、決勝戦」は、メルボルンクリケットグラウンドで開催されるが、約12万人の観衆が9万個のミートパイを食べたという記録もある。フッテイとミートパイは、オーストラリアを象徴するものの双璧である。 ミートパイは、このようにスポーツを観戦するときとか人が集まる行事の会場でも人気がある。また、テレビでスポーツ番組を見るときもミートパイとビールは、オージーの必需品になっている。
右手でミートパイを持ちながら食べ、左手でビールをスタビー「Stubby、ビールの小瓶」から飲むことがオージーの伝統的な男のマナーである。このミートパイの食べ方を2銃の拳銃「Two Guns」方式と呼ぶ。
レストランやカフェでミートパイを注文したとき、ミートパイを手で持って食べてもマナー違反とならない。ただ、ミートパイを食べるときは、手に持っているミートパイが予期せぬときに崩れ落ち、トマトソースや肉汁で着ている衣服がベトベトになることもあるので注意して食べよう。
オージーにとってトマトソースをかけないでミートパイを食べることは、日本人がお刺身を醤油とワサビなしで食べることと同じであり、トマトソースはミートパイを食べるとき絶対に欠かせないものである。日本人が小腹が空いたときにコンビニでお握りを買って食べるのと同じようにオージーは何時でも何処でもミートパイを買って食べる。
ミートパイとポテトチップス(meatpie and potato chipps)
(c) 撮影者:管理人
南オーストラリアでは、トマトソースかけたミートパイを濃いグリーンピースのスープに入れて食べる。このミートパイの食べ方は、パイフローター(Pie floater)として知られ、同州を象徴す食べ物の一つである。クイーンズランド州では、トマトソースの代わりグリーンピースのソースをミートパイにかけて食べる慣習も残っている。グリーンピース入りのミートパイは、女性に人気がある。
ミートパイは、オーストラリアのファーストフードを代表する食べ物の一つでもあるが、近年のアメリカのファーストフードチェーン店の進出やオージーの食生活の健康志向により苦戦している。何処の街角にあったミートパイを売るパイショップの数も少なくなり、特に店の奥で準備した手作りのミートパイを売るパイショップは非常に希になっていることは残念である。
ミートパイの歴史
元祖ミートパイについては、世界の各国がそれぞれ元祖であると主張しおり定かではないが、その歴史は古代ギリシャ時代まで遡ることは間違いがないようである。この時代にアートクリース「Artocreas」と呼ばれる料理があり、練り小麦粉の生地の上に料理した肉をスプーンで載せて食べたとされる。その後、古代ローマ時代に改良され、具を入れる外皮と蓋が付けられ、現在のミートパイのような形になったとか。いずれにせよ、この頃は、小麦粉の生地を焼いた具を入れる容器として使われたようである。
フランスでは、14世紀にイールパイ「鰻パイ(Eel Pie)」のレスピを出版しており、フランス人はミートパイの元祖と信じている。
中世期のイギリスでは、ミートパイはイギリス料理の一つになっており、当時はコーファー「Coffers」と呼ばれていた。また、宗教上の理由で金曜日にフィッシュパイ「Fish Pie」も作られた。ステーキアンドキドニーパイ「Steak and Kidney Pie」も考案している。特に有名なコンウォール地方のコーニッシュパイ「Cornish Pie」の元祖は、ミートとジャムが半分づづ分けて入っており、この地方で錫を採掘する鉱夫が主食とデザートとして坑内で食べれた優れものであった。「オーストラリアの管理人もコンウォール地方を旅行した折、田舎のパブでカウンターランチとして現在のコーニッシュパイ(ジャムなし)を食べたが素朴な塩味で非常に美味しかった。お奨めの逸品である。」 コーニッシュパイ「Cornish Pie」の正式名は、コーニッシュパスティー「Cornish Pasty」であり、パスティーはパイの一種であり、具は挽き肉、ジャガイモとオニオンである。北アイルランドでは、コーニッシュパイと同じようなパイをパスティー(Pastie)と呼ぶ。
ミートパイは、世界の各国で作られており、例えば、南米ではエンパナダス(Empanadas)、キプロス島ではボーレキアス(Bourekias)、ポーランドではピエロギズ(Pierogiz)と呼ばれる。
ミートパイの歴史 - オーストラリア
イギリスからの流刑因や自由民がオーストラリアに移住した頃からミートパイは、手軽に作れることから良く食べられた。この頃、ミートパイの具は、牛肉や野菜より安いマットン(羊肉)であった。1,800年代の中頃から現在のような黄金色のミートパイがパブのカウンターランチとして売られ始めた。
その後、人が多く集まる場所にミートパイの屋台が出るようになり、屋台の炭火ストーブで暖めたミートパイが売られた。屋台が馬に引かれた馬車、そして自動車に変わった。当時、ミートパイを売る人をパイマン「Pie Man」と呼んだ。パイマンは、スポーツ競技場を訪れる観客に大変人気があった。この頃のパイショップでは、店の奥で手作りしたミートパイを販売した。
1,960年代に工場でミートパイの大量生産が始まった。ミートパイは、伝統的に牛肉のミンチが主流であるが、現在では、多文化の影響もあり、ビーフストロガノフ、チキン、焼き野菜などと具の種類も豊富になっている。
ミートパイは、オーストラリアの伝統的なファーストフードを代表する一つでもあり、職場では、ミートパイを温めるパイウォーマー(pie warmer)が不可欠になっている。
ミートパイのレシピ
一言でいうと、牛肉の挽き肉をシチューしたパイである。レシピ(英文)は、その国のミートパイにもよるがオーストラリアのミートパイのレシピを紹介します。
オージー英語とミートパイ
A bloody pie eater
オージー英語に「A bloody pie eater」というフレーズがある。この意味を良く理解しないで使うと口論になったり、殴り合いになる場合もあるので説明する。イギリスの中世期の頃は、階級意識が強く、鹿狩りで捕った鹿の柔らかい肉を食べるのは一家の主人、長男とその友達だけであり、妻や他の子供達は、肉以外の舌、肝臓、肝臓肉などアンブル「Umble、臓物」と呼ばれるものでアンブルパイ「Umble Pie」を作って食べた。この習慣は消えてしまったが、いつのまにかアンブルパイがハンブルパイ「Humble Pie、質素なパイ」に代わり、現在に至っている。意味するところは、階級社会では一番下の階級の人達が食べるものである。今ではオーストラリアを象徴するタッカ−の一つであるミートパイにもこんな歴史がある。 従って、「You are a bloody pie eater.」は、「お前は最低な奴だ」意味する。「You are a f**king, bloody pie eater.」は、最悪の場合を意味し、「この下衆野郎め」となる。
友達がミートパイを食べて衣類をベトベトにしたときにニコニコと笑顔で「A bloody pie eater !!!」と突っ込みを入れる以外はあまり使わない方が無難である。このとき、友達に対しても決して顔をしかめて言わないことが最低限のマナーであることを憶えておきましょう。
Eat humble pie
他方、同様に、王侯が鹿狩りを行なったとき、王侯が上席で鹿肉の上等の部分を食べ、猟師や従者は末席で臓物のハンブルパイ「Humble Pie」を食べたことに由来する「eat humble pie」というフレーズは、「屈辱感を味わう、恥をしのぶ、恐縮する」などを意味する。
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